産業廃棄物処理施設と不法投棄の空間分布特性: 関東圏を対象として

Takashi Akiyama, Masahiro Ohsako, Yasuhiro Matsui, Yukihiko Harashina

研究成果査読

抄録

産業廃棄物処理施設は忌避施設と見なされ, その設置をめぐる紛争が多発している。このような特性を有する施設が偏在することは, 環境保護と社会正義の同時達成を目指す「環境的公正」の概念に照らして問題であるとの仮説を基に, 本稿ではその空間的偏在性について定量的に検討した。同時に, 昨今大きな社会問題になっている産業廃棄物の不法投棄についても検討した。分析対象は関東とその周辺の1都8県の最終処分場, 中間処理施設, 不法投棄とし, それらを市町村ごとに集計してその立地や発生の傾向を調べた。分析の結果, 最終処分場, 中間処理施設, 不法投棄のすべてにおいて正の空間的自己相関が存在し, これらが市町村単位で見たとき偏在性があることがわかった。さらに, 最終処分場立地点と不法投棄発生点には空間的分布において類似性が認められることから, 問題構造に共通性が存在する可能性があることが示された。
本文言語Japanese
ページ(範囲)121-130
ページ数10
ジャーナル廃棄物学会論文誌
15
2
DOI
出版ステータスPublished - 3月 2004

Keywords

  • 産業廃棄物処理施設
  • 不法投棄
  • 環境的公正
  • 空間分布

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