Abstract
癒合不全を単純X線で判断することはしばしば困難であり, 3D-CT MPR像による皮質骨のギャップ, 骨折端部のsclerotic changeによって, より診断が確実なものとなる. 骨癒合は骨折部の架橋仮骨の連続性がcoronal planeとsagittal planeで認められることで判断される. MPRは骨癒合の判定に有用なだけではなく, 内固定法や骨移植を含めた治療法の選択に有用である. 大腿骨転子部骨折においても, 単純X線像と歩行能力のみからは海綿骨の多い同部における骨癒合の判定は困難なことがあり, MPRはより詳細な骨癒合の判断が可能であった. Coronal planeとsagittal planeのみならずtransaxial planeでのCT像が診断には役立った. 癒合不全に対するMPRの診断率はsensitivity rate:100%, specificity rate:90%であった. I.はじめに 骨折治療の目的は機能障害を残さず骨癒合を得ることであるが, 近年の学会報告において真の骨癒合が得られているのか, はなはだ疑問な症例も散見する. 今回我々は3D-CT(multiplanar reconstruction, 以下MPR)を用いて, 大腿骨近位部骨折の経時的変化について分析し, 単純X線および臨床評価と対比検討をした.
Original language | Japanese |
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Pages (from-to) | 6-12 |
Number of pages | 7 |
Journal | 骨折 |
Volume | 29 |
Issue number | 1 |
Publication status | Published - 2007 |